【aph】セカイはいつか飽和して【dc】【prsk】
第2章 薫風が帯びる
︎︎歩くスピードは通常の人よりかは遅め。それでもみんな合わせてくれた。
(ホント、ごめんねって感じだなぁ)
︎︎ふたりが選んだ服屋さんはどれも綺麗だった。
「普には、この服いいんじゃない?」
「それならこの色がいいんじゃないかしら」
「うーん。その色も悩む……。むむむ……」
︎︎瑞希と絵名の二人は僕たちをそっちのけで服を選び出していた。僕と奏はだいぶ疲れてしまったので、店の近くのベンチで休憩することにした。
「はぁー……」
︎︎ベンチの背もたれに体重をかけた。
「普、大丈夫?」
「ん……。奏は?」
奏も同じようにしながらはぁー、と大きなため息をついた。
「私は疲れた」
「そうだよね……」
︎︎その時、まふゆが両手にペットボトルを持ってやってきた。
「はい。お茶」
「あ、まふゆ……」
︎︎まふゆはこの間僕たちのためにとお茶を買ってきてくれたのだった。
「こっちの常温のやつは普用だから」
「ありがとう」
「で、こっちの冷たいのは奏用ね」
「ありがとう。まふゆ」
︎︎僕は冷たいのは苦手なのだ。かと言って熱いのはもっと苦手である。そこで常温のやつを探してきてくれたのだ。冷たいのはいいけど、常温は探すのが本当に苦労したんだろうな。
︎︎お茶を1口飲むとなんとなく落ち着いた気がした。
「ねえ、普、ちょっと、こっちにおいで」
「ん? ︎︎僕?」
︎︎瑞希が店からひょいっ、とベンチに座る僕たちに顔を見せた。どうやら僕に着せる服が決まったようだった。
︎︎まふゆに飲みかけのペットボトルを預けて瑞希と絵名の元へ向かった。