【aph】セカイはいつか飽和して【dc】【prsk】
第2章 薫風が帯びる
︎︎適当にテレビを見ながら僕はご飯を食べだした。
︎︎あの殺人事件から数ヶ月が経った。あの事件はテレビに乗るようなそこそこの知名度のあったが、第一発見者である僕の家に報道陣が押し掛けてくることはなかった。
(念の為根回ししておいてよかった)
︎︎今日の予定は瑞希たちとのエンカである。今日はなぜかいつもより早い時間でショッピングモールを回って僕たちの服を買うらしい。
(服って、そこそこいい値段するのに買うってどういうこと?)
︎︎僕はなにかしらのトラブルを避けるために念の為あの人から貰った数万円を財布に入れた。
(これで足りる気はしないけど、まあ、僕には関係ないことだしいいけど)
︎︎服なんて適当に着られれば構わないが、あの人たちからしたら違うのだろうか。
︎︎今日最初に誘ったのは絵名、それに釣られるように瑞希も乗った感じ。
(瑞希はまあ、そうだよね)
︎︎なんとなくテレビの方向に目を向けた。ニュースが流れていて、公園の葉が綺麗だとか、蝉の声が鳴き出したとかそんな情報ばっかり。ニュースのワンコーナー的な話題だった。いかにも平和そうな話題が頭のノイズを解いていくような気がした。
『――次です。怪盗キッドがゴッホの「ひまわり」を盗み出すとの予告状を……』
アナウンサーの声を最後に、僕はテレビの電源を落とした。