第7章 手筈
「おう。お帰りかい?詰まらん話に付き合わせて悪かったなあ。小枯によろしく言ってくれ。まあまだ寄合所にいたらの話だがよ」
雨露が気安く言うのに大枯が首を振る。
「いるさ。小枯はまだ回復してない。霜刃が担ぎ出しでもしない限り寝てるだろう」
「霜刃なら担ぎ出しかねねえなあ。あいつは小枯の筒井筒で、ちっちゃな頃から鮑の恋の何とやらをずぅっとやってて、ちっとばかり頭のネジが外れかかっちまってるからな。小枯に関しちゃ」
鬼鮫の眉がぴくりと上がった。
筒井筒?あの小枯に?
こめかみを指先でとんとんと叩いて雨露は鬼鮫に頷いてみせる。
「ま、気が変わったら声をかけてくれよ。案外悪くねえ気晴らしになるかも知れねえぜ。俺らに付き合うのもさ」
我慢の堰が切れた。
鬼鮫は外套を大きく翻して大股に村長の家を出た。