第1章 あの夜の続き
あれから2年、次の恋には進む気にもなれず、仕事で気を紛らわせる日々が続いている。そろそろ犬でも飼おうかななんて考えたり。
職も変えた。彼は少しストーカー気質なところがあったから別れても監視される気がしたのでスマホも住む場所も全て変えた。
とにかく彼から離れたかった。今は落ち着いて快適な日々を過ごしてる。居るのが当たり前だった生活だったから、しんどいかなとも思ったけれどそんなことはなかった。
奏斗は今頃何をしているんだろうと考えてしまう時もある。私より可愛い女の子と付き合って同棲してたりして。一方的に愛を押し付けて苦しめていないか少し心配になるけれど私にはもう関係ない。
今日は週末。決まって私は行きつけのバーでいつものカクテルを嗜む。
運命的な出会いもあったりして。なんて淡い期待を抱いているけどこんな私じゃナンパされることもなくいつも一人で飲んでいる。
そんな時だった。
「お隣いいですか」
声をかけられた。珍しいななんて考えよりも先に、懐かしい声、匂いに気がついた。
顔を見ると、そこには湊斗がいた。信じられない。これは夢?
「いいですよ」
マスターも目の前にいる状況で変な空気にしたくなくて、知らない人のフリをして私は承諾してしまった。