第1章 人生何が起こるか分からない
「姉ちゃんは昔虐められてて、それでも姉ちゃんは負けずに頑張って、高校もすんげーとこ行って、今じゃ東京に住んで一人で生活しててさ、俺すごいと思うし、尊敬してる。」
『瞳のことお母さんにも言われたけど私は気にしてないし、単に勉強が出来ただけだよ。でも尊敬してくれてありがとう、姉ちゃんもっと頑張る。』
「昼間は俺もその瞳欲しかったとか言ってごめん…。」
気にすんなって!と瀬名は如月の頭をわしゃわしゃする。やめろよー!と抵抗する雄大だが手は止まらない。
結果雄大の髪の毛はぐしゃぐしゃになってしまった。
そして目が合うと自然に笑い合う。
なんとも仲がいい姉弟だ。
『勉強頑張ったし、今日はもう寝なよ。』
「うん、あんがと。また教えて欲しい。」
『休みが明けるまでならここにいるから、いつでもおいで。』
おやすみと言葉を交わし如月は部屋を出ていった。
『さぁて、もう少し日にちが経ったら仕事始まる前に中古屋にパソコンでも見にくか…。』
家にパソコンはあるがそろそろ替え時だと思い、中古でもいいから買い換えようと思っていた。仕事が出来ればそれで良かったのでわざわざ新品の物も必要ないとの判断だった。ただ今日は元日、そして母のとの出来事もあり、店が空いているかも分からずなので行っていなかったのだ。
ので、三が日は避けて行くつもりでいた。
他にもなにか掘り出し物がないか少しわくわくしていたので、早く時間が経たないかと内心思っている瀬名は、そのまま睡魔に負け眠りにつくのであった。