第2章 なんでも摂取しすぎるな
「瞳で虐められてたって言ってたな。オッドアイ、だっけか。俺は綺麗だと思うぜ。」
『へっ?』
意外な言葉に変な声出しちゃった…。
縁側で座りながら土方さんがタバコに火をつけてそう言った。異性から言い寄られたことは大人になってからはあるけれど、瞳の事を褒められたことは無かった。
「この世界でも同じような事行ってくるような奴がいたら俺にいつでも言ってこい。ソイツ殴りに行ってやるよ。あと、元の世界に戻れるまでは俺たちに任せておけ。何も心配なんざ要らねぇ。いつでも頼ってこい。」
『…っ!!』
この世界に来て不安だったこと。
それはこの世界から元の世界に戻れるのかという不安と、戻れるまでどうすればいいかという不安が私の中で強かった。いつまでも近藤さんや土方さん達の仕事を邪魔してはいけないと、働き先でも見つけないと、でも異世界の私じゃと…。
でも土方さんのその言葉を聞いて私はその場で恥ずかしながらも大泣きしてしまった。
オイオイ大丈夫かと土方さんが少し焦った声で私に話しかける。
するとどこからか、ヒソヒソと話声が聞こえてくる。
「近藤さん、土方さんがお姫様泣かせやした。」
「トシの女泣かせ。」
「うるせぇ!!ってかいつからそこに居たんだよ怖ぇよ!!」
「瀬名さんが風呂から出てきて土方さんと合流した時からでさァ。」
「尚更怖ぇよ!!どんだけ前から話聞いてんだてめェら!!」
ボソッと土方さんに近藤さんが耳打ちしていた事は私には聞こえなかった。
すると土方さんの表情が鬼の形相に変わった。テメェら!!と静かな夜の屯所に土方さんの怒りの声が響いた。
『ふふ…っ。』
3人のやり取りに思わず笑ってしまった。私の涙は止まっていた。