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悪役令嬢に転生したけど推しが中の人だった件について

第13章 好感度アップイベント!後夜祭のダンスパーティー


ルシアン様の瞳がわずかに細められる。

 
「君も……変わったな。昔のヴァイオレットなら、友人の輝きを誇ることなどなかった」

 
その言葉に胸がざわめく。

 そこにはかつて‪”‬氷の薔薇‪”‬と呼ばれたヴァイオレットの微笑みではなく、心の奥では確かにしおりとしての温かさが滲み出ていた。

「人は変わるものですわ。……私も、彼女のおかげで」

 
ルシアン様は視線を逸らし、静かに息を吐いた。

 
「……そうか。ならば、その変化を見届けよう」

 
後夜祭の音楽が流れる中、氷の公爵と氷の微笑。
二人の間に、確かに新しい温度が生まれ始めていた。

煌びやかな音楽が流れる舞踏会の中央。
群がる令息たちの輪を抜けて、ルシアン様が私の前に立った。

「ヴァイオレット……一曲、私と踊っていただけるだろうか」
 
ルシアンからダンスに誘うことは皆無に等しい。しかし氷の公爵と呼ばれる彼が、戸惑いを隠しきれない声で差し伸べた手。
その瞳には、冷徹さの奥に揺らぐ光が宿っていた。

私は一瞬だけ息を呑み、そして氷の微笑を浮かべてその手を取った。

 
「喜んで」

音楽に合わせてステップを踏む。
ルシアン様の手は硬く、けれど次第に柔らかさを帯びていく。
彼の視線が私を追い、まるで仮面の奥にある“しおり”を見抜こうとしているようだった。

「君は……変わったな」

 
低く呟くその声には、戸惑いと惹かれゆく心が混じっていた。
私は微笑みを返す。
「人は変わるものですわ。……私も、そうありたいのです」

その瞬間、彼の瞳に確かな熱が宿った。
氷の公爵が、氷の微笑に惹かれていく――そんな予感が胸を震わせる。
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