悪役令嬢に転生したけど推しが中の人だった件について
第13章 好感度アップイベント!後夜祭のダンスパーティー
驚くアメリアにウィンクを返し、メイドたちに手伝わせて着替えを始める。
並んで化粧を施し、最後にルシアン様が買ってくださった色違いのお揃いの髪飾りをつけた。
鏡に映る二人の姿は、まるで姉妹のよう。
現実世界の姉妹とはそこまで仲が良いわけではないけれど、ドレスを着て、メイクをして、色違いの髪飾りをつける――そんな時間は女子会のようで楽しかった。
「ヴァイオレット様……私、本当にいいんでしょうか」
最後まで恐縮するアメリアに、私は笑顔で答える。
「思い出に残るものですし、火傷が思い出の文化祭で終わらせたくありませんの。夜会を一緒に楽しみましょう!」
半ば強引に、けれど心からの想いを込めて。
私はアメリアを夜会へと連れていった。
煌びやかなシャンデリアが輝く後夜祭の会場。
音楽が流れ、貴族たちが優雅に舞う中、私とアメリアは並んで姿を現した。
紫がかったグレーのドレスに身を包んだ私は、氷の微笑を浮かべる。
隣には、薔薇のようなピンクのドレスを纏ったアメリア。
色違いのお揃いの髪飾りが、まるで姉妹のように私たちを結んでいた。
その瞬間――。
会場の視線が一斉に私たちへと集まる。
そして、ルシアン様の瞳が驚きに揺れた。
「……ヴァイオレット、そして……アメリア」
氷の公爵と呼ばれる彼が、ほんの一瞬言葉を失う。
冷たい眼差しの奥に、確かな動揺が見えた。
アメリアは戸惑いながらも微笑みを浮かべる。
その健気な笑顔に、周囲の令息たちが次々と歩み寄ってきた。
「アメリア嬢、ぜひ一曲を!」
「私と踊っていただけませんか!」
「そのドレスに合わせて、最高のステップをお見せします!」
次々と差し伸べられる手。