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悪役令嬢に転生したけど推しが中の人だった件について

第12章 ヴァイオレットとしおり


私は心の中で叫びながら、彼女の笑顔を守るために、さらに強く決意を固めた。

 医務室の静けさを破るように、扉がノックされた。

 
「失礼する」

 
低い声と共に現れたのはルシアン様だった。

 
「模擬店はもうすぐ終わりの時間だ。……君たちの様子を見に来た」

 
氷の公爵らしい冷静な口調。けれど、その瞳にはわずかな柔らかさが宿っていた。

「ルシアン様……」

 
私は思わず立ち上がり、執事姿のまま一礼する。

 
「ご心配いただきありがとうございます。アメリアは軽い火傷程度で、もう大丈夫ですわ」
 

アメリアも氷嚢を肩に当てながら、慌てて笑顔を見せた。

 
「はい! ヴァイオレット様が心配してくださって……もう平気です。庶民なので、こういうのは慣れてますから!」
 

その強がりに、ルシアン様は小さく息を吐いた。

 
「慣れているからといって、軽んじていいものではない。……君は特待生として、この場にいる。だからこそ、守られるべきだ」
 

アメリアは目を丸くし、少し頬を赤らめた。
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