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悪役令嬢に転生したけど推しが中の人だった件について

第9章 庶民感覚を取り戻そう!


 (庭も広いしな)

 馬車を降りるとアメリアがすぐでむかえてくれた。 荷物を御者に持たせ、庭を見渡すと、家庭菜園や花壇があった。
 
 結構広いな。
 
 しおり的感覚で眺めた感想は これよ!これー! ファンタジーゲームに出てくる主人之の最初の家みたーい! と内心はしゃぐ私だが、あたしがあまりにもあちこち見たせいか、アメリアはしゅんとして

ガッカリしたんじゃないですか? その…ヴァイオレット様のお屋敷と違いすぎて…

と、恐縮してしまった。

そんなアメリアの手を取って

そんなことありませんわ!

私はこの家が気に入った。 田舎の祖父母の家にそっくりだからだ。

私が、目をキラキラさせて、アメリアの手を取ると彼女はびっくりした表情で、私をみつめた。

アメリアの家に泊まったその日、私は初めて庶民の食卓に座った。
木の机に並んだのは、家庭菜園で採れた野菜をふんだんに使った料理。煮物、焼き魚、素朴なスープ。
一口食べた瞬間、思わず目を見開いた。

「……おいしい! 素材の味が生きていて、こんなに心が温かくなる料理は初めてですわ!」

アメリアは照れ笑いを浮かべ


 「そんなに喜んでもらえるなんて」

 と頬を赤らめた。
私は感動のあまり、次の日には家庭菜園を手伝わせてもらうことにした。

土に触れ、苗を植え、水をやる。

 
(ああ、これよ! ファンタジーゲームの主人公が最初にやる農作業イベントみたい!)

 
昔、祖父に鍛えられた鍬使いを披露する私に、アメリアは驚きつつも楽しそうに笑っていた。

さらに私は、お嬢様チートを発揮した。庭の花を摘み、色合いを考えながら花瓶や棚に飾り付ける。

 
「まぁ……! まるで貴族の館みたい!」


 とアメリアのお母さんがが目を輝かせる。
私は得意げに微笑み
 
 「花は人の心を癒すものですわ」

 と言いながら、アメリアの家を見事に華やかに彩った。

そして午後には川へ。
アメリアが「釣りなんてできますか?」と心配そうに尋ねたが、私はにっこり笑った。

 
「ええ、もちろんですわ」
 

餌のミミズを手に取ると、ためらいもなく釣り針に刺す。手馴れた動作にアメリアは目を丸くした。

 
「ヴァイオレット様、慣れてますね……!」

「祖父母の家でよくやっていましたの。こういうのは慣れですわ」

 


 
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