悪役令嬢に転生したけど推しが中の人だった件について
第9章 庶民感覚を取り戻そう!
ルシアン様から贈られたネックレスと、アメリアとお揃いの髪飾りを手に取ったとき、私はふと胸がちくりと痛んだ。
――こんな高価な宝石をふんだんに使った髪飾りや、一粒の小ぶりな宝石があしらわれた上品なネックレス。
普通に「しおり」のお小遣いじゃ、とても手が出ない。
(……私、すっかりお嬢様気分で浮かれぽんちになっていたわ。庶民感覚から完全にズレてる……)
反省の思いが胸に広がると、あるアイディアが浮かんだ。
それは、アメリアの家にお邪魔して、彼女の生活や価値観を知ること。友情を深めるために、互いの世界を共有すること。
私は思い切って口にした。
「アメリア……もしよければ、あなたのお宅へお邪魔させていただけないかしら?」
アメリアは目を丸くした。
「え?ヴァイオレットさまが、私の家に……ですか?」
困惑する彼女に、私はにっこりと微笑みかける。
「おじゃまになるかもしれませんが、交互の生活や価値観を共有することは、友情において大切なことだと思いますの。どうかしら?」
アメリアはしばし言葉を失い、やがて頬を赤らめて小さく笑った。
「……ヴァイオレットさまがそうおっしゃるなら。私の家なんて質素ですけれど、それでもよければ」
その返事に、胸が温かくなる。
豪華な屋敷も、煌びやかな宝石も素敵だけれど――友情は、互いの世界を知り合うことで育まれるのだと、私は改めて感じていた。
数日後のある日、私はアメリアの実家へと馬車を走らせた。 アメリアの家は下町の郊外にある小さな平屋の一軒家だった。 これは… ローゼン家に馴染んでしまった私は思わず呟いてしまった。 広さはローゼン家の物置小屋位。 でも、しおり的感覚では、平屋の一軒家で、この広さは結構な広さだ。
(庭も広いしな)