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悪役令嬢に転生したけど推しが中の人だった件について

第4章 レオン・クロード


──はい、語彙力死亡。

(ちょっと待って、今のセリフ、好感度+20どころじゃないよね!?
信頼って言ったよね!?“好きだぜ”って言ったよね!?)

しかも、しかもだよ。
その声が、あの人気声優・東条蒼真の声で脳内再生されるわけですよ。
低音で、ちょっとラフで、でも芯が通ってて、
「信頼してる」って言われた瞬間、心臓が爆発した。

(え、これ、実質告白じゃない!?)

しかも、演習中の背中合わせの距離感。
魔力の共鳴。
炎と闇のコントラスト。
そして、演習後の汗がきらめく赤毛の騎士。

(ちょっと待って、これ、乙女ゲーのイベントCGじゃん!?)

私は令嬢らしく微笑んで「ありがとうございます」と返したけど、
内心ではもうキャピキャピが止まらない。

(庶民騎士、最高かよ……!)

しかも、彼は“貴族の型”に染まってない。
だからこそ、言葉がまっすぐで、嘘がない。
その“信頼”は、演技じゃなくて、本物だった。

(好感度、跳ねた。跳ねたよ、今。
破滅フラグどころか、友情ルート突入してるよ、これ!)

──でも、令嬢としては優雅に微笑む。
スカートの端を摘み、姿勢は崩さない。
語彙力が灰になっても、品位は保つ。

(だって私は、推しにも庶民騎士にも好かれる令嬢になるって決めたんだから)
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