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悪役令嬢に転生したけど推しが中の人だった件について

第19章 神楽坂蓮としおり


あれは、私に向けられた言葉だ。

胸がドクンと跳ねる。
狼狽えと感動が同時に押し寄せて、呼吸が乱れる。
「まさか……私に?」
心の中で警鐘が鳴る。期待しちゃだめだ、これはイベント舞台。
大人気声優の神楽坂蓮が、私を気にするわけがない。

そう思えば思うほど、胸の奥がチクリと痛む。
でも――彼の瞳が確かにこちらを見ていた。
ほんの一瞬、視線が絡んだ。
夢で見たあの夜のダンス、涙を流した自分。
すべてが重なって、現実の舞台で蘇る。

「……届いたんだ」
心の奥で呟く。
期待と恐れが入り混じり、涙が込み上げる。
必死にこらえながらも、頬が熱くなる。

観客の歓声の中で、私だけが別の世界にいるようだった。
舞台の光に照らされる彼の姿は、ルシアンでもあり、蓮様でもある。
そして、その言葉は確かに“私”に届いていた。

狼狽えながらも、胸の奥で確かな感動が広がる。
――この物語は、まだ続いている。

イベントが終わり、舞台袖に戻った瞬間から胸の奥がざわめいていた。
――彼女に会いたい。
夢で踊ったヴァイオレット=彼女。
最前列で俺を見つめていたその瞳は、確かに彼女だった。

 
「……頼む。あの席にいた女性を、こっそり楽屋まで案内してくれないか」
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