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悪役令嬢に転生したけど推しが中の人だった件について

第19章 神楽坂蓮としおり


この日のために馬鹿だと思いながらも、美容院に行き、服を買い、髪を整えて、普段あまりしない化粧までして気張ってきた。

推しに会えるんだ。このくらいしないと。

会場を前にガッツポーズを決めてわたしは会場入りした。

 偶然にしては出来すぎだと思った。
ゲームパッケージから覗いていたイベント申込書。
期限は明日の消印有効。
あの時、スマホを手に取り、マネージャーに電話をかけた自分の行動は、まるで導かれるようだった。

神楽坂蓮は楽屋にいた。
舞台袖から聞こえるざわめき。観客の期待。
その中に――彼女がいるかもしれない。

 
「……来ているのか?」

 
心の奥で問いかける。
しおり。ヴァイオレット。夢の中で涙を流した彼女。

緊張で手が汗ばむ。
声優としてイベントに臨むのは慣れているはずなのに、今日は違う。
ただの仕事ではない。
これは、俺と彼女の物語の続き。

楽屋の鏡に映る自分を見つめる。
氷の公爵ルシアンの面影と、神楽坂蓮としての自分が重なっている。
「……行くしかないだろう」
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