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悪役令嬢に転生したけど推しが中の人だった件について

第19章 神楽坂蓮としおり


――はれ?

目を覚ました私は、ものすっごい格好でベットから落ちていて、柱に頭をぶつけていた。

 
「そっかー、頭痛の原因はお前か!」

 
枕でベットの柱を殴りつける。

テレビはつけっぱなしで、画面には乙女ゲー『薔薇と罪の舞踏会』が起動したまんま。
頭を触ると、でっかいたんこぶ。

 
「こいつで変な夢見てたのかー」

 
氷嚢を用意しながら、ふとゲームパッケージに目が留まる。
そこからハガキのようなものがはみ出していた。

 
「こんな紙、入ってたっけ?」
 

取り出してみると、それは『薔薇と罪の舞踏会声優イベント』の申込書。
期限は明日の消印有効。
普段なら同担拒否の私がイベントなんて行かない。
けれど、この時ばかりは条件反射のようにアンケートを書き、名前も住所も記入して、速攻でポストへ。

――夢と現実が繋がったような、不思議な感覚を抱えながら。

目を開けると、見慣れた天井があった。
スタジオでも舞台でもない、ただの自室。

 
「……戻ってきたのか」

頭の奥にまだ残るのは、ヴァイオレットと踊った最後のダンスの感覚。
彼女の手を握ったはずなのに、最後は空を掴んでいた。
遠くで彼女の声がした気がする。
だが、歪んだ空間に飲み込まれ、意識は途切れた。

 
「夢……だったのか?」

 
そう呟きながらも、胸の奥には確かな余韻が残っている。
氷の公爵としての執着、蓮としての覚悟。
そして、ヴァイオレット=彼女の涙。

机の上には、仕事のセリフ台本とゲームパッケージ。
『薔薇と罪の舞踏会』。
その隙間から、イベント申込書が覗いていた。

蓮は静かに笑みを浮かべ、スマホを取った。
「なら、行くしかないだろう。俺と彼女の物語は、まだ続いている」

俺はマネージャーに電話をかけ、イベントの日程を確認していた。
 また彼女に会えるような気がして……。

――イベント当日。
まさか…当たるとは思わなかった…。 しおりは会場を前に呆然と立ち尽くしていた。 この日のために馬鹿だと思いながらも、美容院に行き、服を買い、髪を整えて、普段あまりしない化粧までして気張ってきた。
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