悪役令嬢に転生したけど推しが中の人だった件について
第17章 ルシアンとヴァイオレット
医務室の空気はまだ張り詰めていた。
氷の公爵ルシアン様の瞳は、私を逃さぬように鋭く見据えている。
「……君は、ずるい……だから、わたしは君に執着し始めたのかも、いや……だいぶ前から執着していたんだろう。ヴァイオレットと、その奥の”君”に……」
その言葉に、心臓が跳ねる。
――やばい!これ完全に執着ルート突入じゃん!攻略サイトなら「公爵様の執着イベント」って赤字で出るやつ!
ルシアン様はさらに一歩近づき、私の手を強く取った。
氷の公爵の瞳は冷徹でありながら、執着の熱を宿していた。
令嬢らしい微笑みを浮かべる私の心臓は、キャピキャピと暴れ出す。
――これ、完全にイベントCG発生じゃん!背景に薔薇が舞ってるやつ!
私は令嬢らしい微笑を崩さず、静かに言葉を返す。
「公爵様……その執着、わたくしを縛る鎖になるかもしれませんわ」
だが、彼は揺るがない。
「鎖でも構わない。君を逃がすくらいなら、縛り続ける」
その執着の熱に、医務室の空気はさらに張り詰めていった。
「それはヴァイオレット嬢攻略宣言かな?」
横からレオン様が割って入った。