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悪役令嬢に転生したけど推しが中の人だった件について

第1章 目が覚めたら


「分かった。だが、学園の登校は延期だ。舞踏会も見合わせる。今は回復を優先しよう」

舞踏会──その言葉に、私はピクリと反応した。
そうだ。舞踏会はこのゲームの分岐イベントのひとつ。
誰と踊るかで、ルートが確定する。

「ちょっと待てよ……」

ベッドの上で、私は頭を抱えた。
銀髪。紫がかったグレーの瞳。天蓋付きベッド。貴族の両親。
そして、私の名前が“ヴァイオレット・ド・ローゼン”。

(これ……どう考えても、乙女ゲーム『薔薇と罪の舞踏会』じゃん!?)

あのゲーム。
推し声優・神楽坂蓮が演じるルシアン公爵を攻略するために、何周もプレイした。
破滅ルート?嫉妬イベント?全部攻略サイトで潰してある。
推しに嫌われるなんて、絶対にありえない。
そう思っていた。目が覚めるまでは。
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