第1章 Welcome to『Whale Hole』

センラが軽く目で合図を送ると、志麻・坂田・うらたの三人が、テーブルに置かれた黒い箱へと歩み寄った。
まるで儀式の始まりを告げるかのように重々しく、の胸に不安が波紋のように広がっていく。

セ：「……ほな次は、“順番”やな。公平に決めよか」

センラが箱を持ち上げると、中には裏返しのカードが四枚並んでいた。

セ：「決めんのは……にしてもらおか」

「えっ、私が……？」

志：「ええやん。どの順番になっても、文句は言わんよ」

坂：「むしろ、その方が“運命”っぽくない？」

う：「俺らは何も言わないから好きに選んで」

セ：「じゃあ、一枚ずつ引いて読み上げてな」

震える手で一枚目をつまみ上げ、ゆっくりと裏返す。

「Aのクローバー…」

坂：「お、トップバッターうらさんやん！さすがリーダー（笑）」

志：「ふふ、妥当って感じやな」

う：「……まぁ、いいよ。最初、もらうわ」

は二枚目、三枚目と続けてカードを引いていく。