Welcome to『Whale Hole』 u/s/s/s
第1章 Welcome to『Whale Hole』
センラはソファに座り、「こっちに来て」と促した。
逃げ場のない空間で、はゆっくりと腰を下ろす。
セ:「まず最初に……ここ“Whale Hole”がどういう場所か、ちゃんと説明しとくわ」
声は穏やかだが、底には熱が潜んでいた。
セ:「ここはな、芸能人とか表に出る人間が“誰にも見られずに欲を吐き出せる場所”。表で出されへん本音も、性欲も、弱さも……全部、ここで処理するんや」
の表情が強張る。
理解が追いつかない。
逃げたくても体が硬直して動かない。
志:「ファンに手出したら終わりやん。けど、欲は消えへん。せやからここで出す」
坂:「ここはな、絶対外に漏れへん」
う:「で──俺たちの意見が一致した。その“相手”が、」
その瞬間、の心臓が跳ねた。
“逃げろ”と“知りたい”が同時に胸を叩く。
彼女の瞳が揺れるのを、4人全員が逃さなかった。
セ:「大丈夫?…って、大丈夫ちゃうよな。理解追いつかれへんだけやんな?」
は喉を鳴らし、戸惑った声が漏れ出る。
「え、あ…その…(怖い……でも、それだけじゃない……)」
志:「戸惑ってるだけやろ。嫌がってるようには見へんけどなぁ…」
坂:「むしろ“選ばれた”って思ってくれてええねんで」
う:「俺ら、誰でも良いわけじゃないから」
包囲するような言葉。
逃げ道は最初から用意されていなかったのだと、は遅れて理解する。
セ:「“がいい”んや。……他に理由いる?」
優しい声なのに、後ろに隠された熱が強すぎて、の胸がひゅっとすぼまる。
そして気づく。
来るべきではない場所だけれど……来てしまった自分は、もう戻れない。
「……わかった……怖いけど……ちゃんと……全部受け止めてみる……」
セ:「ええ子や」