• テキストサイズ

【呪術廻戦】禪院直哉と返命の妻【R指定】

第3章 愛と義務


悟は一度だけ直哉を見た。

ここに居る直哉以外の全員は、仁美の秘め事の相手は悟だと思っただろう。





直哉との時間を塗り替えて、自分の代わりに夫のように仁美に寄り添っている。




座敷の華やかさが、音もなく崩れていく。

二人の登場は、それほどまでに圧倒的だった。




座敷の空気が凍りついたまま、仁美はゆっくりと一歩、前へ出た。

仁美は皆の視線が集まる中、涼しげな声で言った。




「……体調が、少し悪なったんよ。このまま休ませてもらうわ。」

そして、うっすら微笑んで続ける。

「皆さまは、どうぞこのまま宴を楽しんでな。」




座敷の者たちは誰も動かない。

舞妓たちは扇を下ろし、財界の男たちは杯を持つ手を止める。





仁美の横に五条悟が静かに立っている。

それだけで、今夜の“序列”が一瞬で書き換わった。




――“五条家は、まだ仁美に付いている”

その事実を、誰もが理解した。




悟は黙ったまま、仁美の背をそっと支える距離で寄り添う。

/ 93ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp