第3章 愛と義務
突き上げるたびに仁美からは愛液が漏れ、京友禅の着物を濡らしていく。
「っああっ直哉っー…。」
「あーあかん。仁美、その声だけはホンマ反則や。」
律動が激しくなり、仁美の体が強張ると直哉の余裕も無くなってくる。
「あー…出るっ中で出すでーっ。」
律動が止まると、奥深くに熱い熱が放たれる。
「っ!ーはっ…あかん…。止まらんわ……。」
射精している間直哉は体を震わせて仁美をキツく抱きしめる。
その間も中で脈打ってる直哉のモノを感じながら、仁美は強張っていた体の力を抜いた。
荒い呼吸の中、ダラっと力が抜けた仁美の体をゆっくりと離していく。
仁美の体は直哉に支えられながら、ゆっくりと棚から下ろされ畳の上に置かれた。
まだ熱のこもった空気が、ゆっくりと畳の上で冷めていく。
乱れた呼吸を整えながら、仁美は仰ぎ見た。
視線の先には、同じく肩で息をしながらも、どこか落ち着いた表情を浮かべる直哉の顔。