第9章 揺らぐ灯と交わらぬ影
うちはな、直哉とは上手くやれとる思うとったんよ。
これから先も、仲良う暮らしていけると。
疑いもせんと、ほんまにそう思うとったんや。
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「直哉おる?」
「…もう帰って来ています。」
直哉が先に帰って来てるなら、機嫌が悪いかもしれない。
仁美はチラッと使用人を見た。
表情はいつもと変わらないが、どこか落ち着きがない。
仁美は一瞬だけ気になったが、すぐに直哉の部屋に向かった。
帰ったら直哉の部屋に行く。
それはいつもの習慣だった。
無駄に長い回廊を歩いて、直哉の部屋に近づくと遠くから声が途切れ途切れで聞こえてくる。
(…誰か部屋におる?)
その声が直哉の部屋から聞こえてくると分かると、仁美は歩みを止めた。
直哉の部屋の前。
襖越しに聞き慣れた男の声が聞こえる。
「もう終わるさかい、ちょっとだけ堪えとき。」