第10章 帰還の契りと見えぬ手
仁美の白い首筋に、当たり前のようにあるその痕が、付けた男そのものの存在のようで気に入らない。
「誰の子、孕むつもりなんや?」
「……なに言うてるん?直哉以外おるわけないやろ。」
悟の痕を残しながら、惚けたように笑う仁美に、直哉も同じように笑った。
「っ!」
急に体をソファに押し倒されて、直哉仁美の腰を掴んだ。
そのままグッと自分の方に寄せて、少しの戸惑いを見せる仁美を見下ろした。
「ええで。俺の子ぉ孕ませたる。」
そうニヤッと笑って、体を屈ませて仁美にキスをする。
ちゅっちゅっと、何度か舌を絡ませた後に、直哉は少し唇を離して言った。
「その代わり、もう自分、逃げられへんで。」
仁美はその言葉に答えるように、笑いながら直哉の首に自分の腕を回した。
仁美の手に導かれるように体を屈めると、再び舌を絡め合う。
久しぶりのキスを、時間をかけて堪能していると、直哉の手が服の上から仁美の胸を掴んだ。
数回形を確かめるように軽く揉むと、ブラウスのボタンを胸の部分だけ取った。