第1章 壊れぬ妻と飽きない夫
「あっああ…直哉っ…っ!」
「あかん……そんな声出されたら、激しく動きたくなるっ…。」
直哉はそれでも我慢して、ゆっくりと律動を繰り返す。
直哉に揺さぶられながら仁美は女が言った言葉を思い出す。
『ふふ、奥さんには出来ひんこと、いっぱいしてあげたから。』
その言葉はあながち嘘ではないのだろう。
薄命の仁美が直哉に…禪院家出来ることといえばーー。
自ら体を使って術式を使うことしか出来ないのだから。
「はっ……仁美…。出る…中に出すで…。っ」
急に奥まで押し付けられて、仁美の体を強く抱き締める。
耳元で熱い直哉の息が漏れると、直哉の入っていたものが中で脈をうっているのが分かった。
その内ゆっくりと呼吸を始めて、直哉は力を抜いてベットにもたれる。
息が落ち着くまで、しばらく二人とも動かなかった。
仁美 の頬はまだ赤く、胸元にかすかに残る震えが呼吸と一緒に上下している。