第7章 あんた本当は…
まさしく酔っ払いという言葉がピッタリなほどに出来上がっている自来也様はナルト君の頭をペシペシと叩きながら絡んでいると、その様子をじっと見つめる私の視線に気付き顔をあげた。
この先ペインとの死闘で命を落としてしまう自来也様に、今こうやって出会う事が出来たことに、私は自分でも思っていた以上に感動していたようで…。
「えっ!?瑠璃ちゃん!?」
ナルト君が、側にいた自来也様を押し退けて前のめりになって驚いている。
その声に反応したサクラさんや紅先生、アンコさんに、ヤマトさん。その場にいた殆どの皆に突如見つめられ、びっくりしてしまう私。
「う、太巻!?どうした?」
『な、何がですか?』
「何がって…泣いてるじゃないか!?」
泣いてる…?私が…?
ヤマトさんに指摘され、
ゆっくり頬に手をあてると、中指に当たる水の感触…。
『あれ?な、何で私泣いてるんでしょう?』
――いやいや、こっちが聞きたいよ!!――
というその場の皆から突っ込まれるのだった。
「ちょっと…ナルト!?自来也様!?瑠璃さんに何したのよぉ!!!!」
「オ、オ、オレってば何もしてないってばよぉ~」
「わ、わしも…何もしてないぞっ!!」
サクラさんが拳を構え、立ち上がると
ナルト君と自来也様が青ざめた顔でブンブン顔を横に振り、必死で答える。
こんなときも息がピッタリなのは、流石は師弟である。
『あ、サ、サクラさん!!違います!!誰も悪くないです…。すみません…突然…。』
そ、そうなの?と心配そうにしつつも、私の説得で構えた拳を納めて座り直すサクラさんに、ホッとしていると
「でも…突然どうしたってばよ?どっか傷むのか?」
と、心配そうに問い掛けてくるナルト君。この人は、本当に優しい人なんだなと、やはり嬉しくなってしまう。
私は、自分でも何故泣いていたのかびっくりしてしまったのだが、恐らく感動してしまったのだろうと、素直な気持ちを伝えた。
『た、多分…自来也様に会えたからだと思います…やっぱり素敵で…カッコいいなと…』
……………………………。
『え、あ、あの…』
……………………………………。
『あれ、私…何か……』
―ぇええええええええっっ!?!?!?!?――