第7章 あんた本当は…
大人な女性の色気と雰囲気に押されっぱなしの私が、緊張と恥ずかしさから俯いていると、前に座るナルト君が優しく声をかけてくれた。
「瑠璃ちゃん。大丈夫ってばよ?」
『あ、はい…。素敵な方に囲まれて…ちょっと緊張してしまって…』
素敵だって!!可愛いこというのね~!と
お酒の入った上機嫌な紅先生とアンコさんに、更に挟まれこねくりまわされる。
「ナルト!!瑠璃さんでしょ!?」
サクラさんが、すかさずナルト君に
ちゃん付け呼びを指摘する。
実際も本当に真面目で気配りの出来る人だなと、他人事のように関心してしまう。
『き、気にしないで下さい。サクラさんも、今まで通りで構いませんから。』
「うーん…」
私の返答に首を傾げて考え込むナルト君に、何かまずいことを言っただろうかと不安げに見つめていると…
「瑠璃ちゃんって…ヒナタみたいだな♪」
ガタンッ!!
突如音のした方を振り向くと、そこには顔を真っ赤にしたヒナタさんが立ち上がっていた。
「あ、あ、な、んでもない…です…」
「ちょ!!なんだよヒナタ!!びっくりすんじゃねぇか!!」
「うむ。突然どうしたというんだ…。」
近くにいたキバ君とシノ君が驚いて声をかける。
ヒナタさんとバッチリ目が合った私は、何とも微妙な面持ちで、あはははと苦笑しあうのだった。
(な、ナルト君って…天然なんだなぁ…)
突然好きな男子に、違う女子と似てると言われて戸惑わないはずがない。
何というか…申し訳ない気持ちになってしまったのだった。
ド天然に天然と言われる、今や里一の忍は、
「相変わらずヒナタは面白ぇな!!」
と、ケラケラ笑うのだった。
上機嫌のナルト君が、突然後ろからのし掛かるように現れた自来也様によって、机にまさしくペシャリという効果音が聞こえてきそうな様子で突っ伏した。
「な~んじゃナルト~。楽しそうじゃの~??」
「ぐへっ!!お、重いってばよぉ~」