第5章 夢小説っぽい!!
『あの…ありがとうございました。』
「い、いえ…瑠璃さんは仕事覚えるのはやいですね!!」
就業時間になり、私は1日ついて教えてもらったイルカ先生に頭を下げる。
まさか先生にしたいNo.1の人直々に教えてもらえる日がくるとは…感動だ。
「あの…太巻って…最初ナルトの親戚かなにかと思ったんですが、太巻先生の娘さんですよね。」
イルカ先生の、父を先生と呼ぶ呼び方に引っ掛かり、私から質問を返す。
『もしかして…父の事を…?』
「やっぱり覚えていませんか…、太巻さんも2年程で退学してしまいましたもんね。アカデミーで何度かみかけたんです。」
『あっ、そ、そうでしたか…すみません。』
なんということなの!?私!?
覚えていないというか…知らないのです!!
私は何度も読み返したNARUTOの設定集を頭のなかで高速でめくっていく。
私とイルカ先生は確か1歳しかかわらない!そうか…同時期にアカデミーにいてもおかしくない…。
あーもー、なんでアカデミーになんて通ったの私!絶対お父さんのせいだわ!もう…。
「あ、あの…そんなに悩まないで下さい。俺も存在感あるほうではなかったですから…。太巻先生は俺の上忍師でしたから…なんか、縁ですかね。ハハ」
『あ、父が…そ、そうでしたね…ハハ』
なんていうことなの!?(2回目)
設定がかわってしまってる。
お父さんがイルカ先生のチームの…?
オーマイガー……
「あ!瑠璃ちゃーん!」
私の百面相のせいで、何やら微妙な雰囲気になってしまったこの場を、サクラさんの明るい声によって助けられるのだった。