第5章 夢小説っぽい!!
衝撃的な出会いを果たし、もう幸せいっぱいの私は、検査を終えるとヤマト班一行と夕食の約束という何とも素敵すぎる予定をGETし、急いで火影室へと出向いた。
建物…廊下…入り口…何もかもが漫画の世界まんまで、感動していた。
綱手様も…すごくすごく綺麗なんだろうなぁ♪そして、すごい怪力で…すごい怖くて…すごい…。
そうだった。綱手様は…結構怖い。
こんな初日に休み、遅刻して挨拶にきた私は大丈夫だろうか…。
火影室の前に立ち、緊張で手がふるえるのを、もう片方の手で抑え込み、よし!と気合いを入れてノックした。
トントン…
「入れ…」
綱手様の返事を確認すると、失礼しますと私は火影室へと足を踏み入れた。
「きたか…瑠璃。」
説教がくるのか!?と、私は身構える。
「体調は大丈夫なのか?俊作から話しは聞いている。体が弱いからと仕事探しは大変だったようだな。事務仕事は、忙しくなると残業もあるが、基本は書面とのにらみ合いだからな。大丈夫なようなら、さっそく事務室へいってくれ。」
しかし、予想を反した綱手様のあまりに優しい言葉に…驚きのあまり目をまん丸くする私。
「シズネ!!案内してやってくれ!って…どうかしたか?」
驚いた表情で見つめる私に、綱手様が優しく問い掛ける。
『あ、いや…その…てっきりなめてんのかぁ!!とブッ飛ばされるかと思っていたので…』
ぷっくくくくく…
「シズネ…笑うな!!まったく、俊作は私の事をどんな風に話してるのかねぇ?そんなことするわけないだろ。」
俊作…とは父の名前である。
決して父から聞いたのではなく…漫画を読んでのイメージなんですけどね。とは言えるはずもなく…、お父さんゴメンと心の中で謝るのだった。