第5章 夢小説っぽい!!
「あ、あのぉ…瑠璃ちゃん…?」
あぁ、どこかでサクラさんの声がする…。
ナルト君。大きくなったなぁ。
そうか、そうだよね。
自来也様と修行して帰ってきた後だもんね…。
我愛羅君は助けた後なのかなぁ?
私よりもこんなに身長だって高い…。
体つきもガッシリしてきて…男の子に抱きついたことなんてないから……。
抱きつく……?
『きぃやぁああああ!!』
自分から抱きついた癖に、
「この人痴漢です!!」と言わんばかりの悲鳴をあげ、直ぐ様離れる。
『ご、ご、ごめんなさい!わた、私…ずっと…その…ですね…』
「憧れてたんでしょ?」
『そ、そ、そうなんです!あの、本当にいつも元気をもらって…私…憧れてたんです!それで…嬉しくて…その…本当にすみません!私…本当…恥ずかしい…。』
ん?
なんでサクラさんが、憧れていたことを知ってるの…?
私の不思議そうな表情を読み取ってか、サクラさんは苦笑しながら答えた。
「さっき、憧れてたとか、ヒーローとか興奮して自分で言ってたわよ?」
ひぃいいいいい!!!?!?
もう…穴があったら入りたい…。
その場にしゃがみこむようにうつむいた私に、先程声をかけてくれた男性が近づいてきた。
「太巻…だよな?僕の事覚えてる?」
顔を上げて確認し、私はまたも硬直してしまう。
ヤマト…ヤマトさんだ…。
ヤマトさんが私の前に……。
『サクラさぁぁん!私…もう心臓が…心臓が持ちません!!!?!?』
「え、え!?」
耳まで真っ赤になった私は、たまらず目の前にいたサクラさんに抱きつくのだった。