第4章 夢だけど夢じゃなかった
『あ、いや…。わからないです。今度聞いてみますね…親に。』
「そっか…。なんか、本当面白いね♪瑠璃ちゃんってさ」
ちゃん…しかも名前…。
私の名前をサクラさんが呼んでくれてます…。
感激すぎる!
一人百面相の私を苦笑の笑みで見つめるサクラさんだった。
──────────…
「ナルトって…ナルト君?今じゃ英雄だからね」
明日の受診を年押しされて、サクラさんと別れた私は、ずっと気になっていたのだ。
現実世界では、偶然主人公と同じ名前で喜んでいたが、今は状況が少し…いや、かなり違う。
「うずまきナルト」という存在がいる世界。そこに同じ苗字といっても私は漢字で太巻なのだが…それでも同じ苗字で存在している。
これはかなり気になる。
確かナルト君はお母さんの苗字がうずまきだったよね…。うずまき一族。
うーんと、唸りながら考えている私に、お母さんは続けた。
「関係ないわよ?でも、英雄と同じ苗字って…母さんちょっと嬉しいけどね♪」
関係ない、という母の言葉に少し安心した。
なんせ、関係があると幾分重要な立ち位置に成りかねない…。
そっか…ご馳走さま。と、自分の食器をキッチンに持っていく私は、その食器をその場に落とすことになった。
母の一言で…。
「父さんも忍だから、最近よく聞かれるっていってたわ」
ガシャーン!!
「だ、大丈夫?」
「瑠璃怪我はないか!?」
忍?お父さんが?
オーマイガー…
父と母が駆け寄り、足下の食器を片しているのも目に入らぬほど、私は唖然と立ち尽くしていた。
サラリーマンの父が、忍…。
忍の娘って…私の設定どうなってるのよ…。