第4章 夢だけど夢じゃなかった
「まぁったく!勤務初日に遅刻どころか倒れて欠席なんてねぇ」
『うぅ…ごめんなさい…』
家族3人で囲む食卓は、いつもと変わらない賑やかさだが、食べているリビングの雰囲気と、何ともファンキーな髪色の父と、自分と然程変わらない程に若い母が、まだしっくりこないでいた。
「まぁまぁ、瑠璃だって倒れたくて倒れたわけじゃないんだからさ。なぁ瑠璃」
「お父さんは瑠璃に甘いのよ!この子だって大きくなって大分頑丈になってきたんだから!」
一人娘である、私が小さい頃から病弱だったため、父は昔から何かと過保護だった。
風貌は変わっても、変わらない優しさに、少しホッとする。
ガミガミお節介なお母さんにも…ね。
「とりあえず…明日受診したら、火影様のところにいくのよ?」
『うん…心配かけてごめんね。』
私は持っていた箸をおき、お母さんの顔をまじまじと見ると、昼間の疑問をぶつけてみた。
『あのさ…うちの苗字って、太巻じゃない?ナルト君もうずまきだよね?なんか関係あったりする?』
―――――……
「起きた?気分はどう?」
カカシ先生に出会うという、夢のようなって…夢なんだけれども。
そんな衝撃的な出来事に2度目の気絶をかました私は、今だ隣に寄り添ってくれていたサクラさんに、上半身を起こし頭を下げた。
『す、すみません!!私のせいで…その…サクラさんにご迷惑ばかりかけてしまいまして…。』
「あぁ、気にしないで♪今日は任務もないし、調合用の薬の買い出しに出てただけだから」
そっか…サクラさんって綱手様の所で修行して医療忍術のスペシャリストになったんだもんね…。
すごいなぁ…私よりも年下なのに、わたしなんかより全然しっかりしてる。
「そういえば…名前…うずまきって…ナルトの親戚?」
ボーッとサクラさんを眺めていた私に、サクラさんが不思議そうに問いかける。
『あ、違います…と…思います…ん?』
「え?」
チーン…
変な沈黙が流れる。
私って…どんな設定なんだろ…。
どんな設定なんだろ!!
「設定?」
またも心の叫びを口に出していたことに、あわてて口に手をあてる。