第2章 2話
「え?なんで?たいちゃんも一緒に晩酌しようよ。それに。たいちゃんも確か明日からドラマで地方って言ってなかった?…一緒に3人でご飯食べないの?」
せっかく夫婦水入らずにしてあげようと思ったのに
なんかちょっと寂しそうで
あー。そういやこの人も寂しがりやだったわって思い返して
首を傾げてるゆりに、わかった。飯食お。と返事をした
自宅(二宮家)
今日は晩飯係を買って出て
結局一緒に作ろってなって2人で立ち飲みしながら作ってたら和さんが帰ってきて
「んじゃ、秋ちゃん。美味しい飯よろしく」
ゆりを風呂へ引っ張っていきながらニヤニヤしてて
赤くなってるゆりも可笑しいし
ほんとに。この夫婦は
あの2人がいちゃついてる間に
つーちゃんの声が聞きたくなって
酒も入ってるノリで電話をかけた
「あ、秋くん」
「うん。お疲れ様」
お疲れ様。と返ってきた声に思わず
「今から行っても大丈夫?」なんて聞いてて
あ、俺つーちゃんに会いたいんだって自覚する
いや。今3人分の飯作ってんだろ
何言ってんの?俺ってなってて
でも欲望に抗えない性分だからさ
そんな事口走ったんだけど
「……あの。ごめんなさい今日は難しいかも」
「うーん。そっか。わかった。また連絡するね」
明るく電話を切った
なんだろうね
別に断られる事なんてよくある事だし
でもなんか
チクッとしたような
そんな気分