第2章 2話
「秋くん、ありがとう。色々」
浴槽に一緒に入り向かい合わせになった時に言うから
「んー。全然いーよ。楽しくてやってるだけだし」
家事好きだしね
あと、気づいたけど。
つーちゃん洗うのも楽しくて好きだわ
「なんか、つーちゃんといるとさ。楽しいんだよね」
目にかかってた前髪を払ってあげて
「珍獣みたさ?」
あ、自分で気付いてるのね
「それは間違いなくあるけど。他に理由がある気もする。」
確かにつーちゃんといると飽きないっていうか。
なんかよく和さんがゆりに[貴女はほんとに飽きないよ]って言ってるのに近い気がする
「つーちゃんって欲望に忠実だからなんか親近感?みたいなのもあるし」
これは大前提
やっぱり性欲には抗えないからな
「確かに秋くんも欲望に生きてるよね」
何を思ったのかそんな風に言われて
「まぁ。ほどほどに、ね?似た者同士ってやつ?」
「え?誰と誰が?」
「俺とつーちゃん」
実際似てると思う
貪欲なとことか
抗えないとことか
「なんておこがましいことを」
「おこがましい?…それってどういう意味だったっけ?」
久々、つか中々聞かないよなその言葉
やっぱり文字扱う専門だから
時々謎なんだけど
「私なんて秋くんに比べたらそこら辺に落ちてる葉っぱと同じくらいだよ」
「なんで葉っぱ?」
あはは。と思わず笑う
「私はいん属性だから」
「いん?……あ、淫乱てことか」
いや、それは俺もだわって思いながら言う
淫乱ね…
まぁ、それはそれなんだけど
マイナスに聞こえたりもしちゃうよね
「俺さ、知ってると思うけど自由にふらふらしてるから」
「うん」
「でもさ、そういうのから遠い人?つか空間?にいるのも好きなんだよね」
和さんとゆりを思い浮かべる
「うん?」
「あー。心洗われる。、みたいな?」
あの2人見てると
自分の汚い欲望とか
ついさっきまでやりまくってた行いとか
全部綺麗に浄化される気がして
まぁ、そんなことはないんだろうけど
でもなんか受け入れてくれてる2人が本当に好きで
家族…みたいなもん?なのかな