第2章 2話
インターホンを押して
つーちゃん家の玄関まで来ると、そっと扉を開けてきた
「ごめんね。忙し過ぎて人の生活できてないの」
なんか干からびたつーちゃんが出てきて
これもまた新しい一面だなとか思いながら
「あー。………そしたらやめとく?」
とりあえず差し入れを渡す
「ちょっと好みわかんなかったから野菜スープなんだけど。胃に優しいから。飯食ってない感じだったし。」
「…さっきまであんまり食欲とか感じなかったけど。良い匂いでお腹空いてきたかも。ありがとう」
やっぱな。と思いながら改めて干からびたつーちゃんをまじまじ見て
「いーえ。……ほんと体調は大丈夫?やつれてるけど。」
「あはは。大丈夫!大丈夫!締め切り近いと屍化するのは物書きあるあるだから」
なんか笑ってるけど
いや、やっぱり自分でも思ってたのか
「……俺、多分役立つよ」
「え?」
数時間後
「おわった〜!」
「おー。お疲れ」
背伸びをして清々しい声をあげるから温かい紅茶を渡した
そこで辺りを見回してて
「え、、うそっ。………これが我が家?」
「ぷっ、、」
思わず笑ってしまう
つーちゃんが、後ちょっとやらなきゃいけないって言うから
家事は一通り出来るし
飼い慣らされた我が家(二宮家)でも良くやってるし
つーちゃんの数週間の散らかし具合なんてへっちゃらで
いや、むしろ楽しかったって言うか
「……これがスパダリの由縁?」
「は?」
なんかまた知らない言語話してる
思わず首を傾げる
「んで?終わったの?その、TL?ってやつだっけ?」
隣に腰掛けてそう聞くと
「やっと5話分ね。…でもこれ20話以上連載してほしいって言われてるから」
なんか、明後日の方向いてて
「…部屋のリセット。いつでもお気軽に」
「商売上手だな。…おいくらですか?」
ふふっ。と笑いながら見つめてきたから
「んなもんいらねーよ。たまに構ってくれたらそれで」
つーちゃんといると楽しいし
たまにはね?
構ってほしいじゃん?