第1章 1話
「それって俺ら全員巻き添えなん?」
わりかししっかりしてる1人が苦笑いで酔っ払い(日本酒)に尋ねる
「あたりまえじゃーん。ついでにお溢れで楽しもーぜ」
肩組んで楽しそうに乾杯するから、仕方ねーな。とのりに乗る事にしたらしい
「なぁ、大地。予定変更」
「あ?なんで?クラブ行くんじゃねーの?」
帰りがけにプロデューサーは先生を連れて行こうとしてるのを俺らで夜のお姉さん気分にもっていき今からプロデューサーを連れて行くところだったのに先程日本酒に肩を組まれてた奴に引き止められた
「あ、行くんだけどさ。秋、燕先生の方見てやってくんない?思ったより飲まされてるっぽい」
「いや、なんで俺?」
「お前が一番燕先生と良く話してたじゃん。あと女の扱いが上手い」
「いや、りん姐と仲良いだけだから。…まぁ、でも。わかった。そっちは頼むな」
肩にぽん。と手を置かれて、じゃあな。と手をふりふりする
たしかに何回か話はしたけど
りん姐介してだし
まぁ、そんな事言ってられねーか。
壁に寄りかかって顔を真っ赤にしてる燕先生に近づく
「燕先生。大丈夫すか?一旦吐きます?」
視線があまり定まっていなかった先生に話しかけて覗き込むと、視線が合い、へらぁ。と笑われた
俺が見たことある笑い方とはちょっと違っていて
あー。酔ってんな
「だいじょーぶ。なんかごめんなさい」
若干呂律も回ってなくて全然大丈夫には見えない
数回りん姐と飲んでいるところで一緒になった先生は楽しく、それなりに弱めな酒を飲むか強めな酒はちょびちょび飲んでいたからあんまり強い方ではないんだろうなと思っていたけど
今日は落としにかかられてたのか泥酔一歩前って感じ
「しょうがないっすよ。あのプロデューサー飲ませるの上手いから」
そう言って自販機で買っておいた冷えた水を差し出す
「ありがとう」
細い指にしっかり握らせてキャップを開けてやると素直に受け取りゴクッ。と良い音を鳴らして何度も飲み込んでいた。