第8章 最終話
「フフフ。………ごめんなさい。僕、ちょっと嘘つきました」
「は?」
「ポスト。見ていただけます?」
「ポスト?」
ポスト?
そういえばつーちゃん溜め込みがちだよなと振り向いてつーちゃんと視線を交わす
「はい。…実はですね、バーに行ったあの夜。タクシーでご自宅までお送りしまして。ですが足が覚束ない様子でしたのでお部屋まで一緒に同行したんですよ。そこで。お名前を知りました。宛名がある荷物が玄関に。その後、椿さんはお手洗いに行きまして。そのまま寝入ってしまったので。ベッドまでお連れしました。その時下着が…あ、パンツですね。それが何故か僕の上着に引っかかってまして、、フフ。ごめんなさい。……あ、えーと。気付いたのが椿さんのマンションのエントランスでして。戻るのも気が引けて。ポストに入れておいたんです」
「…………はぁぁ」
(……え?)
突然頭を抱えてため息を付く俺に
つーちゃんは全くよくわかってなくて
ほんとに
この子は……
なんって
無防備なんだ
「次の日にお電話いただきましたのでポストに入れておいた事を伝えるつもりでは居たのですが。…なんだかとっても良い反応をされていたので。事実椿さんは大変興味深い。だからちょっと意地悪してしまいました。ごめんね?とお伝え頂けますか?実際には本日来られたら打ち合わせ予定でした。急ぎではないので大丈夫ですよ。何方か存じませんが、どうぞ。椿さんと存分に愛を語り合って下さい。そして願わくばその情景、感情を是非お伺いしたい。こちらもお伝え…しませんよね。きっと」
「………」
思わず難しい顔をして
「フフ。最後にスパイスとして。…所有印をつけたのは事実ですが、最後までは致していませんよ。ご安心下さい。では」
はぁ?
最後に言い逃げされて
小野先生に対してのイライラを隠しながらつーちゃんにスマホを返した
「………あの、、秋くん?一体何を話してたの?」
見上げて尋ねてくるつーちゃんは
相変わらず無防備で
「はぁ」と小さな溜息
「………とりあえず。ちょっと待っててね」
そう言って頭を撫でつけ
玄関を出て
ポストを確認しに行く
チラシが何枚かと
「あ……」
あったわ
つーちゃんのパンツ