第5章 5話
酒そんなに強くないくせに
「はぁ。ねぇつーちゃん。バーって経験済み?」
「いや、生粋のバージンです。」
堂々と答えたつーちゃんに頭を抱える
「だよね。そんな感じしたよ。面識そこまでない人とバー行ってさ、よくわからない名前の酒飲んで。思ったより酔っちゃったって。なったら…わかるよね?燕先生」
そこまで言ったら
なんか突然静かになって
あれ?
繋がってるよな?
「つーちゃん?おーい!」
何度か呼びかけるけどなんの反応もなくて
「聞こえてる?
つーちゃん?おーい」
「あ、あぁ。ごめんね」
やっと返事が聞こえて
「え、ほんとに大丈夫?飲まされすぎちゃった?」
つーちゃん、飲みすぎると格好の餌だからな
酔って返事できなかった?
もしかして既に結構やばい?
なんか色々ぐるぐる心配事が巡る
「大丈夫!まだここに来て一杯だけだから」
「ほんと?…迎え行けるよ?何処か教えて」
ケーキよりつーちゃんの回収を優先しようとそう言うと断られた
「迎え?………いやいや!いいよ!大丈夫!自分で帰るから」
「……俺の仕事絡みで遠慮してるなら気にすんなよ。もう慣れっこだから写真は」
全力で拒否されて
なんかムカつく
「違うよ。ほんとに大丈夫!ちゃんと帰れるから。それに小野先生優しいから秋くんの思ってる感じではないよ?だから今日はちゃんと自分の家帰ってね」
だからなんで
「………いや、つーちゃんの家で待ってる」
「へ?」
「だから。誰にもついて行かないで帰ってこいよ。じゃあね」
ムカついて余計な事まで言いそうになって返事も待たずに電話を切った
俺にはそうやって線引きして
小野先生とバー行って
なんか狙われてるっぽいの感じ取れてないつーちゃんにイライラして
あー。これは
また「やきもち」ってやつか