第5章 5話
「そうね。…うちの綿菓子さんは溶けちゃうかもね。そんな話聞いたら」
「どうやったらあんなピュアっ子に育つんすかね…珍しい生き物」
「クフフっ。案外ね。そうでもない時もあるけど。まぁ、いつまでも新鮮な反応してくれるのがうちの奥様の売りになっちゃってるから」
にやにやがとまらない和さん
「………和さんまで卑猥な思考に」
「いや、誰の所為よ。やめてよ。俺たち清純派夫婦で売ってるんだから」
振り払うように手を振り振りするから思わず蒸してたタバコの煙を吹き出す
俺の知ってる二宮夫婦は割と人前(俺の)でギリギリまでいちゃつくから何処がだよって言いたいところだけど
多分それに全く気づいてない嫁であるゆりは清廉潔白を掲げるであろうから色々飲み込んで
「なんも言いません」
「えぇ。えぇ。そうしてよ。くれぐれも」
新たに日本酒を頼みながらそんな風に言われて
あらら。結構飲むな。こりゃぁ。
そんな風に思いながらお猪口を追加してもらってあやかる形になった
「………あれ?降りないの?」
散々飲み明かして
タクシーに乗り込んで二宮家のマンションの前に着いたから和さんは降りたのだけれど
俺が降りてこないから屈んで様子を見てそう言われた
「はい。今日はこのままちょっと」
「………あぁ。、、はいはい。わかったよ」
直ぐに色々察する和さんに有り難みを感じ取りながら
「ゆりには連絡ちゃんとするんで。心配かけてごめんて伝えてくれます?」
「わかった。愛してるって言っといてあげる」
かわりにね。と今度は色々余計な事を言おうとしてる和さんを止める術なんて誰も持ち合わせてないから手を降って
運転手に直ぐ近くの目的地を告げる
つーちゃんの家の中に入って見渡すけど
つーちゃんは見当たらなかった