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【NARUTO】水神姫は月夜に笑う【長編】

第9章 いざ、波の国



「え…あ、あの…」

『イルカ先生は…すごいですね…すごく落ち着きました。ありがとうございます。』

ギュッと力をこめるマイに、イルカは気になっていたことを問いただすチャンスであると悟り、身を乗り出す。

「あ…あ、あの!!マイさんは…その…好きな人は…」
『すみません!!私、ちょっと火影様のところへ行ってきます!!』



―好きな人はいますか?―
というイルカの気になって気になって仕方のなかった質問は、嵐のように立ち去っていったマイにより、また暫くの悩みの種になるのだった。




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『ひー爺様!!!!』

バーーン!!とノックもせずに火影室へと駆け入ってきたマイへ、驚きの顔を向ける火影であったが、決して突然現れたマイへの驚きではなく、マイの勘の良さに驚いていた。

「なんじゃお主は…もっとおしとやかに入ってこられ…」

火影の言葉を気にも止めず、マイは火影へと詰め寄るとたたみかけた。

『何か…隠してないですか?』
『ひー爺様のことだもの…何か知ってるでしょ!?』
『胸騒ぎがとまらないの!!!!』
『水晶で全部見てるでしょ???』

目前まで迫ってきたマイに気圧され、火影はハァと一つため息をつき、マイへと話しはじめた。


タズナの依頼はCランク依頼であったが、実際はガトーという裏社会を牛耳る大物に命を狙われていて、ガトーが、雇った忍にカカシ達7班は襲われ、戦闘になったのだという。

話をきいていたマイの顔からみるみるうちに血の気が引いていく。

火影の座る机にダンっと手をつくと

『私に暗部として行かせて下さい!!!!大体からして、そんなの任務違反です!カカシさんは何故任務中止にしないのですか!!』

相手が火影であることも忘れ、食って掛かるマイ。
火影は、やれやれと首をふるとマイへ諭すように静かに口を開く。

「カカシが7班の隊長としてついておる。カカシから連絡がない…ということは、あやつが可能であると判断したのじゃろう。
マイ…カカシは信用しきれない男かの?」
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