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【NARUTO】水神姫は月夜に笑う【長編】

第16章 薬師カブト



「でもね…水流園さん。
今ここでボクを捕まえても大蛇丸との繋がりは証明できませんよ。

どんなことをされても、
ボクは口を割らないし
それにケンカはあまり好きじゃないんですよ…」

捕まっているとは思えない堂々たる交渉。
おそらく何かある、
しかし、こいつはスパイ。
スパイ行為は掟に反するものである。

泳がすか…捕らえるか。




カブトを抑え込んでいたマイの視界の端で、絶命していたはずの暗部が
動き出す。

水分身で応えるが
もう一体の暗部が窓ガラスを割り
逃亡するのを許してしまう。

否…マイは逃がしたのだ。

捕らえきれないスピードではなかったが
カブトの能力を知ることが先決だと判断したのだった。
そして、泳がせることでうまくいけば大蛇丸まで辿り着けるのではないか。


(恐らく…サスケへはすぐには仕掛けてこないだろう。)


落ちていくカブトが面を外してこちらを見やるのを見つめながら
マイは、そのニヒルな顔を刻み込むように視線をそらさずにいた。


薬師一族といえば、忍医の家系。
しかし薬師カブトは下忍試験を突破することが出来ない
ウダつの上がらないダメ忍者。
だがどうだろうか。

その場で動かなくなったカブトの遺体には
死体を一時的に操ることが出来る
死魂の術が施されたいた。
死体の顔を整形し、体臭まで消してある。

その上、自らの心音を止め殺した暗部になりすまし
逃げ支度を整えていた。
僅かな時間で…。

『医療班長の養子として育てられてただけはある…か。』

死体処理班も顔負けの技術。


『死体をここまで弄びやがって…
クソ餓鬼が…』


マイは、モヤモヤした思いに舌打ちをしつつ、木ノ葉のために活かせる忍として見いだせなかったことに
木ノ葉のいち忍として、悔しかった。


直ぐ様暗部を新しく警護につけ、
火影へ報告するべく
マイはその場を後にした。
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