第8章 弱音と強がり
「マイ…お主は何をしておるのじゃ…」
『ごめんなさい~。やっぱり受付なんてやめればよかったですよね!皆に会ってから…ボロがどんどん出てきます~』
またも手をつき、項垂れるマイ。
ふぅ。と一つ溜め息をつき、紅へと視線を移す火影。
「…うむ。知れたのがアスマと紅で良かったわい。」
すると火影は、アスマの時と同様に紅にマイの事を語りだした。
真実を知った紅の表情は驚愕の顔へと変わっていく。
「そんな……」
自分の本当の姿や、生い立ちに驚いているのだろうと、マイは申し訳なさそうに口を開く。
『ごめんなさい…紅先輩…隠していて…』
「憧れだったのに…」
―――――…え?
思いもよらない紅の発言に、3人が3人とも頭に?がつく。
「水流園くの一は…私の憧れだったのに…あんたなの!?」
おいおい…。とアスマの呆れ声が聞こえてきた。
全く、理解しきれないマイが目をぱちくりさせているのも気にせず紅は続ける。
「あーもう…。クールビューティーで落ち着いてて、戦う姿はまさに水神と呼ばれた水流園よ?」
『あ…はい』
「いつでも冷静で、寄せ付けない雰囲気がミステリアスで素敵な水流園よ?」
『ん?…はい』
「その強さは伝説になってる水流園よ?」
『へー!すごいですねー!』
「あんたのことよ!!」
『あ…ははははは…』
一気に捲し立て、はぁ…と溜め息をおとす紅。
『な、なんか…すごい伝わり方してますね…うちの一族…』
口調が強いわりに、内容は誉めちぎられている為、マイは困惑した表情で苦笑する。
「名を伏せてはおったが…、何しろ最強の一族ゆえに噂までは抑えきれんものよ…。紅の親の年代にもなると知ってるものもおるじゃろうからな…」
『なるほど…』