第8章 弱音と強がり
ひー爺様に言ってやる…等とブツブツ呟くマイに、大爆笑している紅が声をかけた。
「あ~おかしっ!
とりあえず…アスマを苛めないで頂戴♪自分でボロだしたんだから…」
『えっ?』
マイは頭をフル回転させ考えた。
飲み会まではバレていない…ということは、さっき町中で再会したとき…。
素顔晒したからか!!いやまてよ…紅には昔も顔を見せたことはないはず…。
カカシとの中を疑ってるようだったし
そこから推測した?
…まさか…死んでるのに?私…。
「紅先輩~なんて、うちひしがれた乙女みたいだったわよ?あんたにもあるのね…そんな女な部分♪」
『なっ!?!?!?』
絵に描いたように地面に手をつき、項垂れるマイ。
あぁ…絶対に、ひー爺様にどやされるんだ…あぁ…。
と、思いっきり影を身にまとい落ち込むマイ。
そんな様子をにこやかな雰囲気で眺めていたアスマと紅。
そっと席を立ち、紅はマイの側まで歩みよると、優しく肩に手を置き
「…おかえり…マイ」
と、嬉しそうに微笑むのだった。
"おかえり…"
何て気持ちの暖まる言葉なのだろうと
マイは目頭が熱くなるのを感じていた。
木ノ葉に戻ってきたときに、周りの反対を押しきって迎え入れてくれた火影。
突然の再会に、何を言うこともなく大きな胸で支えてくれたアスマ。
昔と変わらない優しい笑みで"おかえり"を言ってくれる紅。
そして…今も昔も変わらず、包み込んでくれる木ノ葉。
感動してまたもボロボロと泣き出したマイを、よーしよし…。と慰める紅。
「感動の再会中に悪りぃんだが…火影様のとこ行くぞ…」
女の再会を邪魔したアスマは、火影室まで二人にどやされるのだった。