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【NARUTO】水神姫は月夜に笑う【長編】

第7章 知らない貴方



マイは目の前の光景に動けなくなる。
建物の影になっているのだが…決して見間違える事の出来ない銀髪。
左右に揺らしながら、腕の中にいる女とキスを交わしていた。
お互いを求めるように…何度も何度も…。

ピタッと止まる銀髪…。
気づかれたとマイはその場を去ろうとする。
が…動けない…。
こちらを向くその顔を見たくはなかった。
だが、遠くからでも分かってしまう見慣れたその姿を捉えた瞬間、マイは走っていた。
全てを振り払うように。



走っていたマイは、突然肩をグッと抑えられ、何かに包み込まれる。
それがカカシの腕の中であることを理解するには少し時間がたってからだった。

『は…放して下さい…』

無言で抱き締める腕の力を強くするカカシ。

『放して!!!』

胸板を力任せに押しやり、離れたマイは目を見開く。
何故…貴方がそんな顔をするのか。
急いで追いかけてきたのであろう。
口布を下げ、素顔晒すカカシの表情は
今にも泣き出しそうな切ない表情だった。

グッと腕を引かれ、近くの壁際へと
両手を抑え込まれる。
幼かったあの頃のカカシの面影はあるものの、端正な顔立ちが男らしく成長し、マイは思わず怯む。

知らない…男の…顔…。

拘束する手を片手で抑え込み直し、
カカシの顔が間近まで迫る。
口布をずらしていくがとめることはできない。
そのまま マイは唇を奪われる。
フレンチ等という口付けとは程遠い、
貪るように顔の角度を入れ替え、口付けるキス。
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