• テキストサイズ

【NARUTO】水神姫は月夜に笑う【長編】

第7章 知らない貴方



「まいったね~…」

咄嗟の事とはいえ、まさかたったアレだけの事で殺気立つとは思ってもみなかった。
カカシは頭をかかえ、先程の光景を思い出す。

「ムカつく…んだよなぁ…」

ゲンマがマイの頬に触れた瞬間、自分でも無意識に立ち上がっていた。
もし、ゲンマの隣にいたら自分はどうしていたのだろうかと、カカシは戸惑う。

この想いを何と呼ぶのだったろうか。
もう何年も前に封印した、胸の焦げ付くような、この想い…。
口に出したら恐らく、欲しくなってしまい欲求を抑えこめないかもしれない。
カカシは、自分の中で大きくなりつつあるマイへの欲に無理やり蓋をする。

このまま顔を合わせてはいけない。

カカシはそのまま、店に入らずその場を後にした。
この欲求を抑えこむ為に…。



―――――……



ゲンマから話しかけられるが
マイはまったく話の内容が頭に入ってこなかった。

お開きになり、外へと出るが
そこにカカシの姿はなく、先に帰ったのだとマイは辺りを見回し肩を落とす。



『あ、あの!今日はありがとうございました。』

「また誘うから!今度こそ色々聞き出すからね♪」

またね~。
おやすみ~。と、解散していく中
アスマがマイにそっと近づき耳元で囁く。

「そんな心配すんな。愛だね~」

バッ!と、振り返りマイはアスマを睨み付ける。

「おー、怖ぇ♪じゃあな」

『そんなんじゃないです!』

マイの叫びを背中に受け、アスマは紅に連れられて二次会へと連れて行かれた。







気にならないと言えば…嘘になる。
マイは、突然立ち上がったカカシの様子が頭から離れないでいた。
自分の…昼間の行動のせいであろうか。
トボトボと家路を歩いていると、考え事をしていた為、いつもと違うルートを歩いていたことに気づく。

『やだな~何やってんだ……か……』
/ 149ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp