第7章 知らない貴方
サスケの視線に、敏感なマイは
見られていたのかもしれないと気づく。
その通り…サスケは見ていた。
ふと、顔を上げた先で先程の光景が目に入っていたのだ。
声までは確認出来なかったが、様子からしてマイが一方的にけしかけられていたのは一目瞭然だった。
あんな、状況になるのは…恐らく…。
勘のいいサスケにはおおよそ察しがついた。
「マイちゃん♪俺の分は~?」
(コイツがらみか…)
サスケはハァとため息を吐き、ナルト達と弁当を食べ始めた。
『あ…お疲れ様です…。残りそうでしたら、一緒に食べて下さって構いませんので…では…』
「もうちょっと見ていけば?」
カカシがマイの肩に手を置いた刹那、
パシンッ!!と振り払う音が響く。
『あっ…すみません。
まだ仕事がありますから…。失礼します。はたけ上忍…』
去っていくマイを見つめるカカシ。
演習後、マイの様子が柔らかくなり、会話をする回数もまた増えていた。
しかし、あの反応は拒絶以外の何物でもなかった。
呼び方まで、「はたけ上忍」に戻っていた。
振り払われた右手を見つめ困惑するカカシ。
「…はぁ…だっせぇ」
その様子を呆れ顔で見つめるサスケだった。