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【NARUTO】水神姫は月夜に笑う【長編】

第7章 知らない貴方



ダンッ!!
突然一人の女に胸ぐらを掴まれ、近くの幹に押し付けられる。

「受付の黒薔薇姫さんが、こんなところで何してたのかしら?カカシさんの周りをうろちょろと…目障りなのよ」

成る程…噂には聞いていたが
彼女たちが親衛隊か…と、マイはため息をついた。

『私は…ナルトにお弁当を届けにきただけです…』

するともう一人の女がにじりよってきて、弁当を叩き落とす。
風呂敷で包んであったため、蓋は開かなかったが、横向きに倒れてしまった。

「あんな化け狐にまで媚び売って…そんなにカカシさんに相手してもらいたいわけ?」

ケラケラと笑う声に苛立つマイ。
胸ぐらをつかんでいた手をとり、ゆっくりと退かす。

「いっ!な、んて馬鹿力!」


『何か誤解されているようなので…訂正させ…「昨日も激しかったなぁ…カカシ」


女が発した言葉に思考が止まるマイ。
女の手を掴んでいた手から自然と力が抜けていく。
振りほどくように放れた女が手を振りかざしているのが視界に写る…
写るが動けないマイ。


パーンッ!!
辺りに響き渡る乾いた打撃音。

「調子に乗ってんじゃないわよ!!…
あんたなんか、すぐ飽きられて捨てられるわ!!」

金切り声にも似た女の叫び声が耳をつんざく。

「こんだけ時間がたつのに…あんたキスもされてないんでしょ?抱かれたこともない…わよね…あははははは」

容易に避けられた平手打ち。
この程度のくの一なんて、少し殺気をだせば簡単に退けられた…はずなのに。
マイは女から発せられる言葉に、動揺と戸惑いで動けないでいた。
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