第7章 知らない貴方
「カカシさんねぇ?」
『な、なんですか?』
「はたけ上忍から、カカシさんに昇格したのは何故かしら??」
紅がニヤニヤとマイに言い寄る。
『べ、別に!?深い意味はありません。名前で呼べと言われましたので…』
「ふ~ん♪あ、そうだ。今日の夜、空いてない?」
スッと、マイと紅の間に割って入る影…。
「任務入らなければ…空いてるけど?」
『カカシさん…だから、ちゃんと並んでから…あれ?』
あんだけ行列を作っていた列が消え、マイの前にはカカシだけしかいなかった。
代わりに、隣の二列が繁盛している。
「ん~?並んだよ?皆が移動してくれたからさ♪ところで、何の話し??」
恐らく、殺気丸出しで追い払ったのだろうと察した紅は、声を殺して笑っていた。
『確かに承りました…。ところで、夕日上忍。先程の話って…?』
「……ご、ごめんごめん。
今日ね、アンコやゲンマ達と飲みに行くんだけど、マイちゃん来ない?」
―――――……
「よっしゃあーーー!!オレってば農業の才能も半端ねぇってばよ!
……って、カカシ先生!オレまともな任務がしたいってばよ~」
「これも立派な任務!はい!日が沈む前に芋全部ぬくよー」
縁側に腰かけて、依頼主である御婆さんとお茶を啜りながらナルト達を眺めるカカシ。
てか、手伝え~!!とナルト達がさけんでいる、何とも和やかな任務現場を、お昼のお弁当を届けにきたマイは遠目から眺めていた。
『頑張ってるな~ナルト♪』
「頑張ってるな~だって…フフフ」
声のする方を振り替えると、マイの前に三人のくの一が現れた。
小バカにするような雰囲気に、マイは眉を寄せる。
『あの…何か御用でしょうか?』