第6章 受け継がれる想い
「ホラよ」
サスケが自分の持っていた弁当をナルトへと差し出した。
その行動にサクラが焦ってとめようとするが…
「大丈夫だ。今はアイツの気配はない。
昼からは三人でスズを取りに行く。
足手まといになられちゃ、こっちが困るからな」
サスケの気持ちに同意するかのように、
サクラも弁当を差し出す。
ナルトの嬉しそうな顔に、マイも自然と笑みをこぼした。
その直後、ボン!という音と砂埃の中からマイの後ろに突如カカシが現れる。
「お前らぁあああ!!」
バレた…という思いから三人が叫び声をあげて構えるが…
続いて出てきたカカシの言葉に絶句する。
「ごーかっく♪」
………………え?
………………は?
ナルト達はきょとんとした顔でカカシを
見つめている。
『びっくりしたー。カカシさん、来るなら来ると言って下さい。』
もちろん気配で分かっていたマイだが、意地悪くカカシに告げると、
ごめ~んね♪と、満面の笑みで返してきた。
何故、合格なのか分からない三人は
未だに目をぱちくりさせている。
「お前らが初めてだ。
今までの奴等は素直にオレの言うことをきくだけの、ボンクラどもばかりだったからな。
忍者は裏の裏を読むべし…。
忍者の世界でルールや掟を破る奴は、クズ呼ばわりされる」
マイはハッとしてカカシを見上げる。
「……けどな!」
マイは目頭に込み上げるものを、必死で抑えていた。
「仲間を大切にしない奴は
それ以上の クズ だ」
そっか…そうだったんだ…。
マイは皆に気付かれないように
涙を拭った。