第6章 受け継がれる想い
チームワークを乱すことで、仲間が命を落とす危険性を示した後、カカシはマイの立っている慰霊碑へと近づいてきた。
「マイちゃん…大丈夫?」
『カカシさんの真剣な先生姿…なかなかカッコいいですよ♪』
退屈ではないか、カカシはマイへ声をかけると、思いもよらない返答が返ってきたことに、少し驚いていた。
フッ…と笑みを見せるが、すぐに真剣な面持ちになりナルト達へと向きなおす。
「これを見ろ…。この石に刻んである無数の名前…これは全て里で英雄と呼ばれている忍者達だ」
英雄…という言葉に反応したナルトが自己主張をする。
「それそれそれそれーっ!!
オレもそこに名を刻むってことを
今決めたーっ!!
英雄!英雄!犬死になんてするかってばよ!!」
誇らしげに夢を語るナルトを一喝するかのように、カカシはすかさず続けた。
「……が、ただの英雄じゃない…」
ただの英雄ではない、という所に
より魅力を感じたナルトは純粋にけしかける。
「任務中、殉職した英雄達だ」
はしゃいでいたナルトの表情は、途端にひきつり、サクラとサスケも何とも言い難い、切ない表情をしていた。
「これは慰霊碑。この中にはオレの親友の名も刻まれている…」
マイは胸がキリッと痛むのを感じた。
どんな思いで、カカシは彼らに語っているのだろうか。
自分は、カカシにどんな思いをさせているのだろうか…。マイは静かに胸のあたりをギュッと掴んでいた。
マイが視線を戻すと、
カカシが盗み食いしようとしたナルト以外は弁当を食べ、午後からのラストチャンスに備えろと伝え、その場を去っていった所だった。
「ここではオレがルールだ…分かったな」
という脅し文句も残して…。