第6章 受け継がれる想い
「三人とも…忍者をやめろ!」
カカシの放った言葉に
静けさが辺りを包む。
それを打破したのはナルトの叫びだった。
「忍者やめろってどーゆーことだよぉ!!!
そりゃさ!そりゃさ!
確かにスズとれなかったけど!
なんで、やめろまで言われなくちゃなんねぇんだよ!!」
ナルトの叫びはカカシには届かず
淡々と返す。
「どいうもこいつも…
忍者になる資格もねぇガキだってことだよ」
カカシの痛烈な言葉に反応したサスケが、カカシへと突っ込んでいく。
すぐに反応し、意図も簡単に組敷くカカシに、サクラの叫びがこだまする。
「だからガキだってんだ…。
お前ら忍者なめてんのか…あ!?
何のために班ごとのチームに分けて、演習やってると思ってる。」
理解しきれないナルト達には疑問の表情が伺える。
冷ややかに…カカシは続ける。
「つまり…お前らは、この試験の答えをまるで理解していない…。この試験の合否を判断する答えだ。」
なかなか確信を教えてくれないカカシに苛立ち、先をせがむナルト。
カカシは、更に声のトーンを落とし
静かに告げる。
「それは…チームワークだ」
ナルト達三人の顔に驚きの表情がうかぶ。
(そう…チームワーク。でも、卒業したばかりのこの子達…、ましてや自分が自分がと、主張してしまう年頃。
難しい問題ね…カカシ)
マイは、その光景を眺めながら
苦笑の笑みをこぼす。
すかさず、鈴が二つしかないことに
チームワークどころか仲間割れだと
意見するサクラ。
「当たり前だ!これはわざと仲間割れするよう仕組んだ試験だ。
自分の利害に関係なく、チームワークを優先できる者を選抜するのが目的だった。
それなのにお前らときたら…」
カカシは呆れたように続けた。
「サクラ…。お前は目の前のナルトじゃなく、
どこに居るのかも分からないサスケのことばかり。
ナルト!お前は一人で独走するだけ。
サスケ!お前は二人を足手まといだと決めつけ、個人プレー。」
確かにその通りだった。
マイはカカシ同様、このまったく連携の取れていないチームワークのなさを悲観していた。